発達障害が「療育」で治るのか

早期発見!早期療育!

時代の流れで、早い段階から「療育」する傾向にあります。

どんな療育があるのか、全体的なまとめはこちら

熱心に療育に通わせたとして、実際の効果はどうなのでしょう。

(療育の効果はこちらにも少しまとめてあります)

療育に通ったら発達障害が治るのでしょうか。

子どもによって伸びる時期が異なる

結論から言うと、伸びる時期が子どもによって異なります。

たとえばハサミの使いかたや、折り紙など、ちょっと練習してできるようになる子もいます。

が、本人にそこまで興味がなければ、どんどん上達することは期待できません。

療育でちょこっと練習したからといって、すぐに何でもできるようになったりはしないです。

もしすぐにできたとしたら、その分野は療育に通わなくてもできたはずです。

なので、「療育で治る」と考えるのは現実的ではないですし、

逆に、「療育通えない時期があったから致命的」ということもないと思います。

●できる時期がきたらできる、

●できないままのこともある、

そんな感じだと思います。

困ったときに対処できればOK

では苦手分野ができないままだとして、どうすればいいの!?

というと、

苦手を把握して、補う方向で考えるのがベストだと思います。

この子にはどういう「苦手」があるのかな、というのが把握できれば、対処も可能です。

実際、個別の言語訓練療育などでは、こんな練習があったりします。

●できないときに「てつだって」と言う練習

●分からないときに「教えて」と言う練習

●困ったときに「たすけて」と言う練習

なんでもかんでも全部自分でできることが重要なわけでは決してないと思います。

私たち大人でも、チームで仕事をしたりします。

完璧な人間が求められるわけではないですよね。

お互い補い合いながら、助け合いながらで大丈夫なはずです。

自分の苦手が分かれば、自分なりに対処できます。

短期記憶が難しければ、メモを取る、などです。

療育で、苦手な分野が分かったとして、

「だからダメだ」ではなくて

「じゃあこうしよう!」と、工夫して対応することができたらとても良いですね。

助けを借りるのも自立

「なんでも自分でできないといけません!」

「小学校に入ったら、誰もお世話してくれないですからね!」

「あれもこれも、練習させましょう!」

なんて、怖い顔で言う支援者の方もいます。

確かに、他人を当てにして頼りきるのは良くないです。

でも、すべての苦手分野を克服する!というのは現実的ではありません。

発達障害の場合、周りの同年齢の子たちと比べるとできないことは多いです。

それをひとつずつ全部練習!

となると、親もイライラしますし、本人の自己肯定感も下がるのではないでしょうか。

なんでも自分で!

ではなくて、困っている部分は周りの人やグッズなどの助けを借りると良いです。

●隣の席の子に、ちょっと聞いてみる、

●聞き逃したら周りを観察してみる

●折り紙が折れないときに、お友だちに折ってもらう

こんな対応でも、十分ついていけます。

●分からないときにお友だちに聞けること、

●助けてもらったら「ありがとう」と言えること、

こちらのほうが、現実的ではないでしょうか。

グッズに頼ろう!

最近は便利グッズがたくさんあります。

苦手は苦手のまま、グッズで解決できるなら、それで十分ではないかと思います。

筆圧が弱いなら、4Bや6Bなどの鉛筆を使えばいいですよね。

●少し太めで握りやすい鉛筆もあります。

●定規を押さえられない子に、すべらない定規

●イスに落ち着いて座れない子に、バランスを取りやすいクッション

などなど、試しながら使えそうなグッズがたくさんあります。

※詳しくはこちらの本にまとまっています。

『使ってみたら「できる」が増えた 発達障害の子のためのすごい道具』

できないことをムリヤリ練習させるのは効率が悪いです。

視力が弱い子がメガネをかける、くらいの感覚で、苦手部分をグッズで補っても問題ないはずですよね。

まとめ

苦手苦手といっても、その分野の成長が止まるわけではありません

ゆっくりかもしれないですが、どの子も成長はしています。

時間をかければできそうなことは、時間をかけてできるようになります。

縄跳びを跳べるようになるのに数年かかるようなイメージです。

ただし、がんばってもできないこともあります。

私たち大人もそうだと思います。

がんばって練習すれば、10km走れるようにはなると思います。

でも、駅伝選手のように、1kmを2分台で駆け抜ける!

なんてことは、普通の人は、どんなにがんばったところで難しいと思うのです。

でも、早く走れないからダメ!なんてことはないはずです。

ゆっくりペースだとしても、健康のためにジョギングするのってすばらしいことだと思います。

子どもたちも同じです。

●できるようになることは、そのうちできるようになります。

●苦手分野は周りの子たちよりゆっくりと伸びます。

●がんばってもできそうもないことは、がんばってもできないです。

じゃあ、できないからダメ!なんてことはないですよね。

療育で少しずつ練習しながら、

そしてグッズや周りのお友だち、先生方に頼りながら、

自分の苦手を補って、楽しく過ごせたら良いですね。

拙著にもまとめております。

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