療育手帳はIQがある程度高いと交付されません。
療育手帳は「発達障害の手帳」ではなく「知的障害の手帳」だからです。
(手帳には3種類あります。
●療育手帳
●身体の手帳
●精神の手帳
IQの平均値100に対して、どれくらい「足りないか」で、不自由感が判断されます。
(※最近は、IQの数字だけでなく、本人の困り感を見る流れもあるようです)
IQの値で判断される療育手帳
5歳で療育手帳を取得した私の息子ですが、
2年後、7歳の手帳更新の際、ある程度IQが伸びました。
なので療育手帳は返納になりました。
IQが伸びた!というと良いことのようですが、
実際には検査結果は極端なデコボコでした。
7歳当時で、
●苦手な「言葉」は、4歳台。
●得意な「記憶」「数字」でそこで稼いで合計がIQ100前後。
そのときの担当者さんも、息子のあまりの「しゃべれなさ」ぶりと、
検査結果のまあまあ良い数字のギャップに、複雑な表情でした。
「息子さん、普段は2語文ですか?3語文は、しゃべれるんですか?」と。
検査のとき、言語問題ができない息子が、「わかりません」と言ったことについても、
「わかりませんと言えて、とても偉かったです」と、褒めてくれました。
「分かりません」と言えて褒められるレベル。
到底、平均的な7歳とはいえません。
言葉があまり出なかったんですね。
障害が治ったわけでも、不自由がなくなったわけでもないのに、数字だけ見ると、正常域。
こういうケースは、発達デコボコちゃんたちの場合、よくあるそうです。
とはいえ、結果は結果。
IQの数値から、はっきりと「療育手帳は交付されません」と言われました。
この当時の私は、息子の放課後デイサービスの申請など、
手帳があることで実際に助かる場面がときどきありました。
精神の手帳という選択肢もある
担当の心理士さんが、
「通るかどうかはわかりませんが、息子さんみたいなタイプで、
精神の手帳を申請される方もいますよ」と、親切に教えてくれました。
(※精神の手帳・・・精神障害者保健福祉手帳のことです。
受けられる福祉サービスは、療育手帳とほぼ同じです)
精神の手帳!?
いきなり聞くとビックリします。
療育手帳でさえ抵抗があるのに、精神疾患!?と。
精神疾患には、うつ病や依存症のほかに、
てんかんや発達障害を含むことが明記されています。
精神疾患とは、脳の機能的な障がいや、器質的な問題によるものです。
発達障がいは脳の障害です。
(参考;2010年障害者自立支援法改正)
発達障がいの病院も、
「児童精神科」と呼ばれていたりします。
(最近は「発達外来」など、ほかの呼び方も増えているようです)
精神疾患に認定されてしまったら、
将来、社会に出たときに差別されるのではないか
などの不安が出ると思います。
精神科の通院歴、就職のときに問題になる?
結論としては、会社側としては調べようがありません。
面接の際、もし精神科の通院歴を聞かれるような職場であれば、
誠実に答えたら良いと思います。
それが不利になる職場なら、もともと向いてないですよね。
早めに分かってお互い良かった、ということになると思います。
うつ病や、うつ症状がある人なんて、日本じゅうにあふれています。
鬱とまでいかなくても、メンタルクリニックやカウンセリング、投薬のお世話になったことがある人はもっと多いと思います。
その中には、責任感を持って仕事をするタイプの人も多いのではないでしょうか。
むしろ、その責任感ゆえに、メンタルに不調を来たすこともあると思います。
それでいちいち差別していたら、日本の労働人口が大幅に減ってしまいますよね。
発達障害で、「精神の手帳を子ども時代に持っていたことがある」のが、
特に引っかかる職場であれば、その職は避けたら良いと私は思います。
他に向いている仕事はたくさんあるはずだからです。
精神の手帳ですが、申請する場合は医師の診断書が必要です。
診断書の書式も決まっていますので、
市役所にもらいに行くか、ダウンロードすることができます。
自治体ごとに異なりますので問い合わせてみてくださいね。
必要なのは診断書のみで、特に検査や面談などはありません。
手帳よりも手当てについて、
誰も教えてくれませんので、詳しく書いてみますね。