発達凸凹、手帳は必要?
障がいも受け入れられないのに、手帳なんて、まさか・・・
ちょっと待ってください!
申請するしないは別として、
「手帳」って、どんなものか、知っておいて損はないはず。
目次
療育手帳ってどんなもの?
まずは、手帳ってどんなものなのか、種類をご紹介しますね。
手帳は3種類。
1、体が不自由な子には、身体障害者手帳
2、精神的に不自由な子には、精神の手帳
そしてよく耳にするのが、
3、療育手帳
でもこの3種類の手帳、ちょっとややこしいんです。
身体の手帳と精神の手帳は、法律で定められた制度です。
が、
療育手帳には法の定めはありません。
療育手帳は厚労省の通知に基づく制度で、各自治体の施策なんです。
なので、自治体によって交付基準が違います。
名称も、自治体によります。
東京都は「愛の手帳」と呼んでいますね。
「療育」という名前なので、混乱しやすいですが、
療育手帳は、知的障害の手帳。
なので、知能指数IQに応じて支給されます。
多くの自治体で、IQの平均値100に対してIQ70(または75)以下くらいから交付されます。
発達障害専用の手帳って、実はないんです。
障害者手帳を2冊持つことってあり得る?
ちなみに、二重に手帳を持つことも可能ではあります。
たとえば身体障害の手帳を持っている子が、
知的にも遅れているからと、療育手帳を申請することも可能です。
ただ、手帳があることで受けられるサービスが似ているので、
手帳を二冊取得する必要性って、あまりないのかなと思います。
手帳の種類が分かったところで、
では、手帳を持っているほうが良いの?
療育手帳を取得するメリット
結論からいうと、手帳は取得してもしなくても、どちらでも大丈夫だと思います。
療育手帳があると、何が良いのでしょうか。
2つの恩恵があると、私は実感しています。
経済的なメリット
一つ目は、
よく言われているような、経済的な恩恵です。
手帳を持っていると、たいていの自治体で以下のようなサービスが受けられます。
●レジャー施設や公共施設の入場料の割引
●百キロ以上乗る場合の特急料金の割引
●所得税の控除が受けられる
(条件があったり、会社によって手続きが異なる場合もあるので、確認してくださいね。)
●タクシーやバス料金の割引
などなど。
でも、一番のメリットは、これ。
他の福祉サービスへの影響
「手帳を持っています」という一言が、パスポートみたいな働きをするのです。
たとえば市役所で、
放課後デイサービスなどの福祉支援を問い合わせる場合、
手帳があるかないかで、手続きの煩雑さが異なる場合があるのです。
手帳がないと、ひと手間余分にかかることがあります。
担当者さんと子供本人との面談などです。
●手帳を持ってる子=「支援が必要なことが証明されている子」
●手帳を持っていない子=「本当に支援が必要か、役所側が判断しないといけない子」
というイメージです。
実際、電話で問い合わせる場合、
「手帳はお持ちですか?」と聞かれることが何度かありました。
逆い言うと、その程度の違いとも言えます。
手帳がなくても、面談などで「支援が必要」と認められれば、
同様の福祉サービスを受けることが可能なのです。
私の周りにも、手帳なしで放課後デイサービスなどの支援を受けている子はたくさんいます。
ただ、息子を連れての市役所は大変だったので、
手帳のおかげでショートカットできるというのは、私にとってありがたいことでした。
でも、手帳を持つことによるデメリットもあるのでは・・・?
療育手帳を取得するデメリット
お伝えしたとおり、療育手帳は知的障害の手帳です。
知的障害と認定されるなんて、デメリットはないの?
私はとても不安だったので、
市役所の担当の方に何度も確認をしました。
回答は「デメリットはありません」とのお話でした。
強いてあげるなら、親の心の抵抗感です、と言われました。
親のショックな気持ち
子供に障害者手帳が支給された。
この子は障害者なんだ。
そんなショックな気持ちがデメリットと言えます、と。
療育手帳は、多くの自治体で、2年ごとに更新する必要があります。
将来子どものIQが伸びたら、返納になる可能性も十分あります。
でも、一度療育手帳を取得してしまったら、その事実が残るのではないか・・・
手帳を取得したことがあるという事実は残る?
「人生の一時期、知的障害者の手帳を持っていた」
・この事実が将来ずっと影響するのでは?
・就職に不利になるのでは?
・戸籍に記載が残るのでは?
なんていう抵抗感が出ますが、
戸籍に載ったりすることは、一切ないそうです。
手帳というと、大げさな感じがします。
親としては、抵抗感が出て当然ですよね。
受け入れられなくて当然だと思います。
なので、ムリに手帳を取る必要もないのかな、と個人的には思います。
公共施設なども、手帳の割引を使わなくても、
普通に料金を支払って入ればいいですし。
ただ、「手帳を取得してみようかな」という気持ちになったときに、
デメリットは特にないことを、事前に知っておくと良いと思います。
ただし、療育手帳が交付されないケースもあります。
次に見ていきますね。