ある学生さんのご相談に乗りました。
都内の有名私立大学の8年生。
(個人情報を伏せた上で、ご本人の許諾を得て掲載しています)
目次
なんだか生きづらい…受診して発達障害が分かる
彼は大学生になってから、発達障害が分かったそうです。
あまりにもおかしい、生きづらい、とあちこち受診したそうです。
具体的には、上手く学校に行けない。
4回も留年して、今8年生。
(大学は8年間在籍できるので、ギリギリですね)
病院でさまざまな検査や診察を受け、発達障害(ADHD、ASDその他)が判明。
知らなかったのは自分だけ!?
とてもショックだったそうです。
理由は、発達障害を周りに話したら、「ああ、そうだろうね」と、
周りはみんな気づいていたこと。
気づいてなかったのは自分だけ・・・!
「そのこと自体が、発達障害の揺らがぬ証拠じゃないですかっ!」
と、衝撃だったそうです。
大学の障がい支援室で受けられる支援
その方はとてもよくしゃべる人。
一見障害が分からないですが、ADHDの特性が強く、とにかく落ち着かないそうです。
投薬(コンサータ、ストラテラ)で少し良くなってるとはいえ、授業中座っていられない。
大学の授業は90分、じっと座って講義を聴くのが難しいそうです。
大学の「発達障がい学生支援室」に毎週通ってさまざまな相談をしているそうです。
そこで受けられる支援の一部はこんな感じです。
●授業中集中してノートを取れない場合、板書のプリントをもらえる
●姿勢を保持できないので、頬づえをついて授業を受けることを認められる
●授業の途中で、お散歩に抜けることを許される
などなど。
もちろん、発達障害といっても人それぞれ、まったく違う特性があります。
なので、支援室で相談しながら、受けたい支援を個別にお願いするそうです。
大学で受けた支援の例
たとえば、体育の授業。
ヨガのクラスを取ったそうです。
が、ヨガのポーズを取りながら、次のポーズの指示を聞く、
というのがとても難しい。
(視覚優位のため、耳だけで次の指示を受け取ることが難しい)
「どうにも混乱して、とても授業についていけないので、レポートに替えていただけないでしょうか」
というお願いを、障がい学生支援室で何度かしたところ、許可が下りたそうです。
手続きを経てレポート提出に替えてもらい、どうにか単位を取ることができました、とのことでした。
大切なのは・・・
「こういうことで困っています」
これが表現できることが大切です。
学校によると思いますが、臨機応変に支援していただける可能性があるので、
まずは困り感を伝えてみること。
一度で伝わらなくても、あきらめずに何度か交渉してみることが効果的な場合もあるようです。
どうやって大学受験したの?
ちなみにかなり偏差値の高い大学ですが、その方は勉強をほぼしなかったそうです。
今はとても多様な受験方法があり、得意科目のみで受験することができたそうです。
もともと数字が好きで、数学がズバ抜けてできたので、ほぼ数学だけで受験できるところを選び、いくつか合格した、とのこと。
大学生にまで支援があるなんて、本当に良い時代だと思います。
活用できる支援があるなら、どんどん活用していきたいですね。