子供が発達障害かもと言われたら読むHP~発達障害基礎知識~幼少期から中学受験まで

IQ99でも特別支援学級!?

知能検査を受けると、IQがハッキリと数字で出てきます。

親としては、その数値に一喜一憂するものです。

IQは参考情報程度に

他の検査同様、IQの数値も「確固たるもの」とは言えないと思います。

いろんなことに左右され得るからです。

その日のその子の精神状態とか体調

検査担当者との相性とか、

天気部屋の湿度などなど、

微妙なことで変わりうるものだと思います。

そして検査担当者も人間です。

全担当者が、機械みたいに同じ判定をしない可能性もあると思います。

さらに言うと、

自宅でお母さんが質問すればきちんと答えられる子が、

検査の場になると答えられない、というのはよくあることです。

専門家の中には、

「いつ、どこで、誰と検査しても、同じように答えられないなら、実力があるとは言えない!」

と、怖い顔で言う人もいます。

本当にそうでしょうか。

有名なスポーツ選手だって、そうそういつも自己ベストが出せるわけじゃないですよね。

IQ99でも特別支援学級!?

療育に通う子たちが受けることになっている、市の就学相談。

息子も知能検査と面談を受けました。

結果、息子のIQは伸びて99。(平均は100ですので、ほぼ平均値と言えます)

しかし担当者からは、

特別支援学級を強くオススメされました

理由がいくつかありました。

「IQの数字だけを見ると正常の範囲ですが、

息子さんは、イスに座ってじっとするのが難しい

視線も、まったく合わないことはないけど非常に合いづらいです。

得意分野と苦手分野に大きな差があります。」

などの理由からでした。

検査の内訳が、息子の場合は極端な凸凹だったのです。

発達障碍の子によくあることだそうです。

数字・・・9歳

言語・・・4歳

みたいな感じです。

合計して平均するとなんとなく平均値になる。

(※この結果を受けて、療育手帳を返納することになりました。

手帳については別にまとめておきます)

私たち親も、息子の言葉の少なさ、落ち着きのなさに鑑みて、特別支援学級に在籍させることにしました。

(※どこで教育を受けさせるかは、親が最終決定をします。)

IQ99といえば、正常の範囲内。

だからといって、「ホワイト」かといえば、

上記のとおり、全然そんなことなく。

息子の場合、色濃くグレーだったわけです。

IQは正常域でも障害がある!?

先生の問いに反応できない息子を診て、

流暢に話せない息子を診て、

そのせいでお友だちに危害を加えるなどの問題行動を見て、

「IQの数字は正常域だけど、実際には、この子は障がいだよねぇ」と、

息子を診てくれた医師は、息子の不自由感を理解してくれました。

実際には発達障害の診断は、IQだけで判断されるものではありません。

(というか、IQの数字だけで良いなら、医師の見立ては要らないことになってしまいますよね。)

IQの数字がいくつ以上だから大丈夫!

いくつ以下だから問題アリ!

などと、キッチリ区切れないことが多いのだと思います。

多くの発達ママたちが口をそろえて言います。

「バラつきがあるから、困っているのに・・・」

「それを平均化して、”IQは問題ないですね”と言われても・・・」

IQの数字は、その子の一部分しか表せないので、

単なる参考情報として受け止めるのが現実的なのではないかと思います。

数字でハッキリ出てくるので、気になってしまうんですけどね・・・

IQテストで何を計っているのか?

知能検査で「ビネー式」と並んで一般的とされるのがウェックスラー方式という知能検査です。

児童版はWISC(ウイスク)と呼ばれます。

ウェックスラー方式は、アーミー(軍隊)テストともいわれます。

第一次世界大戦にのとき、米軍では味方の誤射による被害が相当数あったとされています。

味方による誤射の被害を減らすため、知能検査が開発されました。

一定時間内で、どれだけ言葉の理解・処理ができるかというテストです。

戦場での、兵士の働き具合を知るために作られたテスト。

なので、ストップウォッチで時間を測る問題が多く出題されます。

答えが1秒遅いだけで、点数が変わります

知能検査は、およそ百年前にできました。

その後、それに替わる画期的なテストが開発されないままだと言われています。

「知能検査で測ったIQ値と、子どもの適応状態は必ずしも比例しない」というのも十分うなずけるのではないでしょうか。

IQが、平均である100を越えても、適応が難しい子がいます。

一方で、IQは低くても良好な適応を示す子もいます。

IQ検査の数字に左右されて、親が一喜一憂するのは、もったいないですね。

参考文献;『子どもが伸びる関わりことば26

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